研修医奮闘記
当院にて地域医療研修に参加した研修医のコメントを掲載しています。
高千穂スピリット
福永 幹
宮崎大学医学部付属病院
3月から1か月間という短期間ではありましたが、高千穂国民健康保険病院にて研修をさせて頂きました。宮崎県人であるにも関わらず、県内で有数の観光地と知られる高千穂を一度も訪れた事がなかったので行かなければという使命感のもと選ばさせて頂きました。実際にこの一ヶ月間はとても充実していて、忘れられないものとなりました。
初診外来をはじめとして外来で初診の方を診察させて頂いたり、訪問診療、訪問看護やリハビリ、養護老人ホームなどの施設の見学など多くの場所で研修させて頂きました。外来軽症から重症に至るまで老若男女問わず沢山の患者さんが受診され、1か月間でたくさんの患者を診させて頂きました。この病院が西臼杵地域の中核病院として最終的な受け皿になっているということを強く感じました。
地域包括支援センターでは退院後に要介護者が快適な生活を送るために事前に自宅訪問を行い、患者さんにとって障害となりうるものを把握し、MSW、介護職員、在宅業者さんと生活環境や経済状態、家の構造、間取り等を十分に吟味し、どの程度まで改修を進めるかの話し合いに参加させて頂きました。これまで私は退院後の患者さんの生活については深く考えていませんでした。しかし、患者さんにとって退院はゴールではなく、ただの通過点に過ぎないのだということを改めて再認識させられました。その先も見据えた医療を提供する事が患者さんにとって最良の医療なのだという事を深く痛感しました。又、それを実現するには医療スタッフまたはその周りを取り囲む人達が一致団結することが必要不可欠である事も学びました。
最後にこの場を借りて、色々と自分にご指導して頂いた久米院長先生、押方先生、塩月先生、北堀先生その他多くの医療スタッフの方々にお礼を申し上げます。皆様のおかげで充実した1か月間を過ごせたように思います。本当にありがとうございました。4月から整形外科医として新たにスタートするのですが、ここで学んだ高千穂スピリットを旨に日々精進していきたいと思います。