認定看護師とは
日々変化する医療現場で働く看護師たちを専門知識や技能でサポートし組織横断的に看護活動を実践する看護師です。当院では、特定の専門分野において、「実践・指導・相談の役割を果たし、看護ケアの広がりと質の向上に寄与する」という活動理念を基盤に院内活動を行っています。
日本全国で多くの認定看護師が活躍中であり、当院にも2名在籍しています。うち1名は特定認定看護師として活躍しています。更に看護師のモチベーションを高め看護全体の質を底上げする目的で、当院では認定看護師資格の取得を奨励しています。資格取得を目指す者に対し、研修期間中の固定給を保障し、意欲のある人をバックアップしています。資格取得は自身のキャリアアップにもなりますし、何よりも、患者様やそのご家族に高い質の医療・看護を提供することにつながりますので、皆さんも挑戦してみてはいかがでしょうか。
認定看護師紹介
感染管理特定認定看護師 看護師長 興梠裕樹
- 感染管理特定認定看護師
看護師長 興梠裕樹
私は2014年に感染管理認定看護師の資格を取得し、患者様や御家族・医療従事者を対象に感染から守る役割を担い、ICTのリーダーとして日々院内ラウンドや抗菌薬ラウンドを行なっています。「感染しない、させない、拡げない」をモットーに活動しており、病院に関わる全ての人々の感染防止に対する意識の向上が図れるよう地道に活動しています。
具体的な活動としては、1)院内感染サーベイランスの実践(感染率の算出、分析、評価、結果に基づいた対策の実践及び介入)、2)院内感染対策マニュアルの改訂、3)感染防止技術の実践、指導、4)職員に対する針刺し防止や流行性ウイルス疾患の抗体価把握とワクチン接種の推進、5)安全な療養環境を確保するためのファシリティマネジメント(廃棄物やリネン処理、施設空調管理)の推進、6)病院職員への感染防止教育、7)感染管理コンサルテーション(相談)などを行っています。また、ICTを束ねるリーダーとして各部署から選出されたリンクスタッフが現場で指導的役割を担えるよう指導し、組織横断的に活動し力が発揮できるようなサポートも行なっています。
認知症看護認定看護師 副看護師長 稲葉紗代子
- 認知症看護認定看護師
副看護師長 稲葉紗代子
私は、病院や高齢者施設にて多くの高齢者と接する中で、認知症ケアの専門的知識や技術不足からジレンマを抱えることが多く、認知症を学ぶことでジレンマを解決できればと思い、認知症看護の研修を受け、令和3年1月に認知症看護認定看護師の資格を取得しました。
認知症のある方にとって、病院への入院は、治療による制限や環境の変化など、多くの身体的・精神的苦痛を伴うものであると考えます。認知症のある方が少しでも安心して治療を受けることができるように、認知症ケア委員会のメンバーと共に定期的に各病棟へ足を運び、ご本人やスタッフと一緒に具体的な支援について考え、実践できるよう努めています。認知症の原因疾患や重症度によっては、言葉による意志表出が難しくなる場合があります。そのため、「いつもと様子が違う」という直感を大切にし、まずは観察することから始めています。認知機能だけでなく、認知症の原因疾患や重症度、合併する身体疾患やせん妄の有無、加齢による影響、心理的・社会的状態、生活歴等を評価し、アセスメントを行い、ケアを提供するよう心がけています。また、院内スタッフだけでなく、地域の多職種の方や住民の方より、認知症に関する相談を受けています。院外活動では、認知症カフェ(おれんじかふぇ「来夢里」)や認知症の人と家族の会(ふじ光の会)に参加し、地域の皆様の認知症に対する不安や、認知症ケアの困りごとに対応しています。
認知症のある方や、介護されている方が、退院後も住み慣れた地域で安心して生活することができるように、院内連携のみならず、地域の多職種の皆様と情報交換を密に行い、地域連携も大切にしていきたいと思っています。認知症に関することで不安なこと、困りごとがありましたら、いつでもご相談ください。