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院長の部屋

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平成28年5月 新年度が始まりました

 高千穂町国民健康保険病院のホームページへお越し下さいまして、ありがとうございます。
 このたび「平成28年熊本地震」におきまして、被災された皆様に心よりお見舞い申し上げますとともに、被災地域の一日も早い復興をお祈り申し上げます。
 
 今回の震災では、高千穂町もいろいろな影響を受けました。病院では、熊本県阿蘇地方から透析の患者さん4人を受け入れました。また、やはり阿蘇方面から外傷の患者さんや急病の患者さんが多数みえられました。熊本市内の病院で手術を受けた後4日目に、急遽、退院しなければならなくなって、当院に来られた方もいらっしゃいます。

 新年度になって、常勤医の異動がありました。まず、内科の伊瀬知毅先生は1年間、非常勤医師として勤務しましたから、ご存知の方も多いと思います。患者さんの訴えをよく聞いてくれるということで、喜んでいる患者さんも多いと聞きました。その他に、内科には、自治医科大学卒業の3人の先生が来てくれました。黒木大介先生、黒木美穂先生、興梠智子先生です。3人とも高千穂町は初めてですが、既に戦力として頑張ってくれています。これに部長の押方先生を含めると、内科は5人と1人増員になりました。
 
 一方、外科でがんばってくれた辻先生の後任が来ないことになり、外科は1人減ることになりました。外科医は全国的にも減少しており、熊本大学消化器外科医局にも今年は3人しか入局がありませんでした。外科はきつくて、忙しいというのが敬遠される理由のようです。

 嬉しいニュースもあります。5月から耳鼻科の常勤医が来てくれることになりました。高千穂町出身の甲斐智朗先生です。4月まで福岡県の徳洲会病院に勤務されていて、当直もできるということで、楽しみにしています。西臼杵郡は医師の絶対数が不足していますので、どの診療科の医師も大歓迎です。

 昨年、延岡市で、延岡西臼杵地域医療構想調整会議が行われました。これは医療・介護への需要が最大となる2025年に向けて、医療資源の効果的かつ効率的な配置を促し、急性期から回復期、慢性期まで患者が状態に見合った病床で、状態にふさわしい、より良質な医療サービスを受けられる体制を作ることが必要と考えられているからです。 ところで、「2025年問題」という言葉を聞かれたことはありますか?「2025年問題」とは、団塊の世代が2025年頃までに後期高齢者(75歳以上)に達する事により、介護・医療費等社会保障費の急増が懸念される問題です。平成27年(2015年)に「ベビーブーム世代」が前期高齢者(65~74歳)に到達し、10年後の平成37年(2025年)高齢者人口は、約3,500万人(人口比約30%)に達すると推計されています。一方で、増加する社会保障の負担を支える生産年齢人口(15~64歳)は減って、1965年には高齢者1人に対し生産年齢人口9.1人だったのが、2012年には高齢者1人に対し生産年齢人口2.4人、2050年には高齢者1人に対し生産年齢人口1.0人と予想されています。今のままでは、病床も社会保障費用も足りなくなってしまいますから、先ほどお話しした地域医療構想調整会議で、限られた医療資源を有効に活用する方法が検討されています。そこでは在宅医療を含む地域包括ケアシステム、医療従事者の確保、診療科ごとの連携なども話し合われています。

 昨年は、保健福祉総合センターとも協議し、在宅医療を進めるための研修会を開きました。「ケアマネジャー、ヘルパー、その他医療・介護にかかわる多職種のための医療研修会」がそうです。当院の内科、外科、整形外科の医師、理学療法士、言語聴覚士、それから歯科医の藤本先生が交代で講演しました。参加者も非常に多く、延べ451人の方が関心を持って参加してくれました。今年は、一般の皆さんに向けてCKD (慢性腎臓病)についても、啓発活動を計画しています。病院のホームページ等でもお知らせしたいと思います。
昨年度(平成27年4月~平成28年3月)1年間の平均病床利用率は一般病床(60床)で88.6% 、療養病床(60床)で76.9% であり、どちらも前の年より高くなっています。また、1日当たりの外来患者数は平均375名でした。現在、9診療科(内科、外科、整形外科、小児科、循環器科、神経内科、眼科、耳鼻咽喉科、泌尿器科、皮膚科)を有しており、人工透析も約70名の患者さんの維持透析を行っています。

 
 今年度の運営方針のひとつに、病院の基本理念にもある「安全で質の高い医療の提供」を掲げました。そのための院内のシステムづくりも大切ですが、職員一人一人の自己研鑽も必要になってきます。どうぞ、これからも高千穂町立病院をよろしくお願い申し上げます。

平成28年5月
病院長 久米 修一

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