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コラム ~燈々無尽~

燈々無尽

このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。

第18回

子どもの眼鏡。

視能訓練士 大木 優来
高千穂町広報誌2015年9月号掲載分

「まだ小さいのに、眼鏡なんてかわいそう」
小さな子どもが眼鏡をかける事に、そう感じる方がいるかもしれません。しかし、「見る力」を育てるために、小さいうちに眼鏡をかける必要がある場合があります。
 
人間は産まれた時から、大人と同じように見えているわけではありません。ぼんやりとした見え方から、見る経験を積み重ねるうちに、脳が刺激され、はっきりと見えるようになっていきます。しかし、遠視などの屈折異常が原因で、網膜(目をカメラに例えるとフィルムにあたる部分)にピントを合わせる事ができなければ、脳が鮮明な映像を見る経験ができず、「見る力」がうまく育ちません。そのような場合に、屈折異常を矯正し「見る力」を育てるために、眼鏡が必要になります。
 
眼鏡などの治療で、「見る力」を育てられるのは八歳頃までで、低年齢で始めるほど効果が高いといわれます。「見る力」がうまく育たないまま大きくなってしまうと、それから眼鏡をかけても、充分に見えるようになりません。コンタクトレンズや屈折矯正手術(レーシックなど)でも同様です。両目の「見る力」が育っていなければ、黒板の字が見えず勉強が遅れてしまうなどの多くの不利益が生じます。片目であっても、立体感が得られにくい、運転免許取得や職業選択が制限されるなどの不利益が生じます。
 
小さな子どもが眼鏡をかける理由は、多くの場合、「見る力」を育てるためです。これからの人生をよりよくするために、小さいうちに小さいからこそかけるのです。ですから、ご家族や周りの方には、眼鏡をかける事を理解して、応援してあげてほしいのです。
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