燈々無尽
このコラムは高千穂町の広報誌にも「病院だより」として掲載しています。
第16回
超高齢化社会に備える。
総看護師長 興梠百合子
高千穂町広報誌2015年7月号掲載分
町立病院は西臼杵地域の中核病院として地域医療を担っている病院です。社会の仕組みや医療情勢の変化に伴い医療の提供体制や地域住民のニーズも変わっています。町立病院も昨年12月に長期療養が可能な療養病棟を併設しました。今後、更に地域包括ケア病床(リハビリ等を強化して長期間受けられる病床)の併設が検討されています。
現在、療養病棟では入院の平均年齢が83、3才で、要介護状態の方のお世話をしております。具体的には、食事・更衣・排泄・歯磨き・入浴等を看護師と介護職で協働して支援しています。急性期病棟は1か月に100名程の入院があり、入院患者の85%が75才以上の高齢者です。
地域住民の皆様に安全で質の高い医療を提供するとともに、時代の変化に柔軟に対応できる看護力を備え、医療チームの一員として多職種と連携し、質の高い看護が提供できるよう努めて参りたいと思います。私たちは、常に患者様を思いやる気持ちを持ち、優しさを持った看護・介護を提供します。また職業人として責任を果たせる、患者様個人を尊重した看護・介護が提供できることをめざしています。
超高齢社会を迎え、ますます介護の重要性が増します。住民だれもが、要介護状態になっても住み慣れた地域で、自分らしい暮らしを人生の最後まで続けることを願っていると思います。高齢者の医療・介護問題を解決するために、それぞれの地域にあった「地域包括システム」の構築が急がれます。住まい・医療・介護・予防・生活支援が一体的に提供されるように考えられたシステムです。そして24時間、365日切れ目のない在宅医療と介護の提供体制づくりが重要です。町立病院と地域の在宅部門の介護職が一丸となり、貢献する時代になると思います。みんなで応援して下さい。
私は、午前中受付及び外来をラウンドしております。私よりずっと若くてかわいらしい制服を着たコンシェルジュ(案内係り)も受付周辺におりますので、来院された際はお気軽にお声がけ下さい。